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著者インタビュー 辻村深月 『青空と逃げる』

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翼を折り畳んでいた女性が羽ばたく物語を書きたかった

◆『青空と逃げる』辻村深月・著(中央公論新社/税別1600円)

 連載スタート時は34歳、第一子がやっと3歳になった頃だった。それが本としてまとまった今、作中の主人公と同じ38歳に。「やっと旅が終わった気がします」と、辻村さんはしみじみ振り返る。

「クライマックスを書く頃に2人目を出産して。2カ月分先まで原稿は渡していましたが不安はありました。主人公は小5の少年の母。女性としては大先輩です。親の庇護(ひご)を必要としながらも自立心が芽生える息子との対話の物語にしたかった」

 新聞連載も初めて。そして、これまではストーリーを追いかけて執筆していたのが、担当者から最初に「母と息子が逃避行するミステリー要素の強いもの」とリクエストされる。逃亡先は「風光明媚(めいび)な場所で」と言われたが、「妊娠しているのでほとんど取材できませんでした(笑)」。そのため、以前訪れた思い出をたどりながら書いた。

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