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加藤陽子・評 『軍国の文化 上・下 日清戦争・ナショナリズム・地域社会』=羽賀祥二・著

軍国の文化
軍国の文化

 (名古屋大学出版会・㊤6930円㊦8030円)

戦争支持した国民の熱明らかに

 日本の近代を振り返れば、1894年の日清戦争から1904年の日露戦争、14年の第一次世界大戦というように、10年ごとに戦争をしていた時期が確かにあったと気づけるだろう。その後少し間はあくが、31年の満州事変から41年の太平洋戦争も10年という間隔で引き起こされていたとわかる。

 特筆すべきは、第一次大戦を除いて、これらの戦争で日本が敵国とした主な国が、清(中国)、ロシア(ソ連)、米国であって、海で隔てられてはいるものの、日本の西、北、東に位置する、いずれも大国だったことだ。たかだか50年間で、このような戦争の経験をした国は他にないのではないか。

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