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『裁判官 三淵嘉子の生涯』=伊多波碧・著

『裁判官 三淵嘉子の生涯』
『裁判官 三淵嘉子の生涯』

 ◆伊多波碧(いたば・みどり)著

 (潮文庫・880円)

 NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」の放送が今月始まった。物語はフィクションで、主人公の「猪爪(いのつめ)寅子(ともこ)」も架空の存在だが、モデルになった実在の人物がいる。日本初の女性弁護士の一人で、のちに日本初の女性裁判所長にもなった三淵嘉子(みぶちよしこ)。彼女の生涯を、人情時代小説「名残の飯」シリーズの著者が生き生きと描いた。

 嘉子は1914(大正3)年生まれ。大日本帝国憲法下の昭和初期、社会が「男女平等ではない」ことに違和を唱え、女性にも門戸を開くとする弁護士法改正の新聞記事を読み法曹の道を志す。男性優位の風潮が色濃く、女性は従属的で良妻賢母がよしとされた時代。明治大学専門部女子部に入学後、猛勉強を重ね、司法試験に一発合格した。

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