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藻谷浩介・評 『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』=橘玲・著

『テクノ・リバタリアン』
『テクノ・リバタリアン』

 (文春新書・990円)

天才たちの壮大な箱庭づくり

 橘玲(たちばなあきら)氏は、意見や価値判断を排して、事実や見通しを簡潔に示す著述家だと思う。

 氏がかねて語る、「世界はリベラル化していく」との見通しは、評者(藻谷)が現実と向き合う際に、重ねて立ち返るポイントだ。この点からロシアや中国、イスラエルなどを語ると面白いが、今回は割愛する。

 氏は、本書の「あとがき」で警告する。(テクノ・リバタリアンが)世界で起こしている「とてつもない変化」について、日本の偏った言語空間に囚(とら)われずに理解せよ、と。ここでの「変化」は価値中立的な概念で、勝手に“良い”変化だとか、“悪い”変化だとかに読み替えてはいけない。

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