増加するナッツアレルギー 乳幼児期の対策に効果?最新の研究動向
毎日新聞
2024/8/27 11:30(最終更新 8/27 11:30)
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クルミなどの消費量増加を背景に、ナッツ類の食物アレルギーが増加している。重症の場合は呼吸停止など命を脅かす恐れもあり、専門医の指導の下、ナッツ類を少量ずつ摂取することで予防や治療につなげようとする研究が進みつつある。
消費者庁の2020年の調査によると、解析対象にした即時型の食物アレルギー6080件のうち、木の実類(ナッツ)は13・5%で、鶏卵、牛乳に次いで3番目となった。中でもクルミは14年の1・8%から7・6%に急増し、カシューナッツも増加傾向にある。同庁は要因に国内でナッツ類の消費量が増加している可能性を挙げる。
国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)がアレルギーの診断や、原因食物の摂取許容量を見極めるために実施する「食物経口負荷試験」の内訳を見ると、ナッツ類の割合は14~15年の5%から22~23年は24%に増加した。山本貴和子・同センター総合アレルギー科診療部長は「ナッツアレルギーを訴える人が増えている。治療せず自然に治ることはほぼない」と話す。
食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎などの湿疹で皮膚のバリアー機能が弱まることで、空気中のほこりなどに含まれるアレルギーの原因物質が皮膚から体内に侵入。これに反応する抗体ができ、原因食物を食べると発症するとされる。
少量ずつ食べて予防や治療
これまでの研究により、…
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