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小児病棟に寄贈 「安心して遊べる」

紙は切れるけれど手は切れない「スマイリーエッジ」=横浜市内で2016年2月17日、宇多川はるか撮影
スマイリーエッジが入った箱を神奈川県立こども医療センターの康井制洋総長(右から3番目)に渡す安井圭則さん(左から3番目)と高木伸幸さん(同2番目)=横浜市南区の同医療センターで2016年2月16日、宇多川はるか撮影

 紙は切れるけれど手は切れない−−。そんな斬新な道具を福岡県太宰府市の安井圭則さん(43)が開発し、神奈川県内2病院の小児病棟に入院している子どもたちにプレゼントした。ハサミやカッターナイフは手を切る危険があるが、これを使えば安心して遊ぶことができる。子どもを小児がんで失い、小児がん患者の治療環境の改善に取り組んでいる相模原市の高木伸幸さん(44)の紹介で、今月までに計80本を寄贈した。【宇多川はるか】

 この道具は「スマイリーエッジ」。ペンのような形で、先端に直径1センチに満たない円形の刃が付いている。ペンを持つように指や手のひらで握り、紙に垂直に立てて押したり引いたりして刃を回転させることで、紙を切ることができる。刃先はハサミやカッターナイフほど鋭くなく、手のような柔らかいものは強く押しても切れない。

 安井さんが開発を思い立ったのは2013年3月。東日本大震災の被災地でのボランティア活動で、宮城県東松島市を訪れた時のことだ。津波被害を受けた小学校で、安井さんらが壁画作りのイベントを催したところ、小学2年の男児がカッターナイフで指を切ってしまった。病院に搬送されるような大きなけがではなかったものの、男児の寂しそうな顔が忘れられず、「けがをしないカッターを作ろう」と考えるようになった。

 本業の建築業の傍ら、私財を投じ、約3年かけて開発。昨春から福岡県内の保育園や小児科病院、介護施設などに寄贈を持ちかけたが、「まだどこも使っていないものを使うのは不安」といった理由で受け入れてもらえなかった。

 昨冬、フェイスブックで知り合った高木さんに「病院で過ごす子どもたちに届けてもらえないか」と相談。小児がんで11歳で亡くなった高木さんの長女が闘病生活を送った北里大学病院(相模原市)に30個、神奈川県立こども医療センター(横浜市)に50個を寄贈することになった。同医療センターへの寄贈は、闘病家族のための滞在施設を運営するNPO「スマイルオブキッズ」の力を借りた。

 今月16日にスマイリーエッジを受け取った康井制洋・同医療センター総長は「予想だにしていなかったプレゼント。長い入院生活を送る子どもが安心して遊ぶことができる。作業療法にも活用できるかもしれない」と期待を込める。安井さんは「無くても困らない人もいるけれど、便利で助かる人もいる道具。入院中の子どもたちに楽しんで使ってもらい、笑顔になってもらいたい」と話している。

 スマイリーエッジの価格は現時点では1本800円(税別)だが、スポンサーが付いて普及すれば、より安価に提供することも検討する。問い合わせは安井さん(メールspitz03060911@icloud.com)。

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