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東京芸大生が2074年のユートピア表現 フランスの団体が優秀者招待

 2074年のユートピアを芸術で表現−−。東京芸術大学美術学部と同大学院芸術研究科の学生が、58年後の「夢の世界」をテーマとした創作に取り組んでいる。審査で選ばれた数人の作品は、18年にパリでの展示が決まっている。

 「2074、夢の世界」と名付けられたこの賞は、ファッション、香水、シャンパン、陶磁器などフランスを代表する80の高級ブランドをメンバーとする「コルベール委員会」が主催する。14年に60周年を迎えたのを機に、同委員会はSF作家や音楽家、言語学者などに「60年後の理想の世界」の表現を依頼。物語6作、音楽1作品と14の新語が誕生した。

 74年の世界を実際に目にするに違いない若者に、これらの作品から新たなアートを作り出してもらおうと、同委員会が東京芸大に協力を呼びかけ、賞が設けられた。学生たちには作家や音楽家らが表現した世界から、平面、工芸、彫刻、写真、映像などの作品を生み出すことが求められている。

 現在学生らは作品のプランを作成中で、7〜9月に同大教員10人による1次審査が予定されている。通過者25人には20万円が同委員会から支給され、約半年間制作に当たる。完成した作品は来年5〜6月、構内での展示を経て文化人などによる2次審査を行う。数作品をパリで開催される展覧会に出展し、優秀者は展覧会に招待される。

 同委員会のリシャール・コラス氏(シャネル日本法人社長)は「60年先を見すえた日本とフランスの文化交流のために、世界的に有名な芸大の若手のアーティストに作品を作ってもらおうと考えた」と企画の意図を説明する。また、同大副学長の保科豊巳教授は「歴史的にも芸大はフランスと深いつながりがあり、フランスを尊敬し、フランスから学んできた。この素晴らしいチャンスに学生たちは、工芸の持つ伝統を大切にしつつ、思いもしない新しい世界を作り上げるのでは」と期待を寄せている。

 作家や音楽家らが創作した作品は「2074、夢の世界」のホームページで閲覧できる。【上杉恵子】

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