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[注目選手]危機感が成長の原動力! 山中亮輔、初招集の代表でインパクトを残す

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危機感が山中の成長を加速させた [写真]=Getty Images 拡大
危機感が山中の成長を加速させた [写真]=Getty Images
 柏レイソル時代、周りにはいつも先輩たちがいた。優しい先輩に守られながら、愛されキャラを遺憾なく発揮する。耳を凝らせば、まさかのタメ口を利いていることもあった。それでも先輩たちは怒らない。「なぜか許せてしまう」らしいから不思議だ。

 彼を一言で表現するならば、懐に入るのがうまい“甘え上手”。それが、柏時代の山中亮輔の印象だった。

 小学生の頃から過ごした柏を飛び出したのは昨年のこと。悩みに悩んだ末の決断だった。新天地に選んだ横浜F・マリノスでは、ケガで出遅れ、リーグ戦でスタメンを勝ち取ったのは6月に入ってから。憶することなく持ち前の攻撃力を発揮し、先発出場のわずか3試合目で移籍後初ゴールを決めた。「自分はシュートを得意としているので」。控えめに発言したが、その言葉には自信がうかがえた。

 あの日から横浜FMでの快進撃が始まった。それでも昨年は、常に危機感を抱いていた。自らゴールを決めても、チームを勝利に導く活躍を見せても、だ。

「危機感しかない」——。

 毎試合のように聞かれたこの言葉に、彼の覚悟を感じずにはいられなかった。それが今年、少しだけ変わった。

 チームが新しい戦術に取り組む中、山中はどこか楽しそうだった。開幕スタメンを飾ったセレッソ大阪戦でゴールを奪えたことで「自信になった」。さらにゴールに絡む回数が増えてきたことで「満足できるものになってきている」と、手応えを口にした。

 第20節の川崎フロンターレ戦でスタメンから外れたことで、目標にしていた「34試合フル出場」は途絶えてしまったが、「90分をとおしてゲームに関わり続けないといけない。それに、やっぱりハードワークしないといけないと思う。走るとか、基本に立ち返って、やらないといけない」。前半の45分をベンチから見届けたことで、改めて感じたことがあったという。

 気が付けば、違和感なくトリコロールに染まっている。チームメートに可愛がられるのは相変わらずだが、勝利後に横浜FM名物の『トリパラ』を肩にグラウンドを一周する姿も、ファン・サポーターにとっては馴染みの光景になった。ただ、山中の周りにはちょっとだけ後輩たちが増えた(ような気がする)。

 新天地に来て2年目。柏で見出され、柏で大事に育てられた蕾は、横浜でいま開花の時を迎えようとしている。決して“危機感”が消えたわけではない。現状に慢心することなく、常に高みを目指し続けているのだ。

 ちょうど1年前、チームのオフィシャル媒体の取材で訪れた横浜市内の神社で、山中は1枚の絵馬を奉納している。そこには熱い思いが綴られていた。

「日本を代表する左サイドバックになる!!」

“横浜の山中”として、ようやく大きな一歩を踏み出した。

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