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ホーランエンヤ絵巻

10年に1回の松江市の船神事「ホーランエンヤ」(松江城山稲荷神社式年神幸祭(しきねんしんこうさい)、18~26日)が迫る。神様を無事に届けることを使命とする五大地それぞれの表情を報告する。

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ホーランエンヤ絵巻

~思い脈々と/1 馬潟 最古参の一番船 踊る剣櫂 /島根

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紫ののぼりを掲げ、練習を積む馬潟地区の櫂伝馬船=松江市の大橋川で、前田葵撮影
紫ののぼりを掲げ、練習を積む馬潟地区の櫂伝馬船=松江市の大橋川で、前田葵撮影

 松江市殿町の城山稲荷(じょうざんいなり)神社と同市東出雲町の阿太加夜(あだかや)神社の間を往還する神輿(みこし)船のお供をする櫂伝馬船(かいでんません)を出す「五大地」。そのうち最も歴史が古い地区が馬潟(まかた)だ。船に記される一番船こと「い一」(いのいち)に誇りがにじむ。

 1808年、雨風で沈みかけていた神輿船を馬潟の漁師が助けたことから櫂伝馬船は始まった。馬潟の船には54人が乗り組み、五大地で最大規模だ。

 一番船ゆえ五大地で唯一、高貴な色とされる紫ののぼりを掲げる。剣を模した櫂を持って踊る「剣櫂(けんがい)」、女姿で踊る「采振(ざいふ)り」、烏帽子(えぼし)をかぶって太鼓をたたく「太鼓」を全て、伝統通りに子どもが担う。また、花をつけた笠をかぶって観客に愛嬌(あいきょう)を振りまく「花笠」が乗るのは馬潟だけ。花笠は小学生が務める。

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