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音と生きてきた

「岐阜には何もない」。県民からよく聞かされる言葉だ。だが実は、全国からも注目される音楽家や、伝統芸能の後継者、楽器職人など、音楽に携わる人材の宝庫でもある。さまざまな形で「音と生きてきた」県民の姿を、彼らが触れてきた音楽と共に紹介する。

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/6 「一参加者」で踊り継ぐ 郡上おどりに夢中の酒店経営 松浦芳美さん(56) /岐阜

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「かわさき」を踊る松浦芳美さん=郡上市八幡町本町の上田酒店で
「かわさき」を踊る松浦芳美さん=郡上市八幡町本町の上田酒店で

「爆発するくらい楽しい」

 日本3大盆踊りの一つで、「徹夜おどり」などで広く知られる郡上おどりが、今年も13日に始まる。1歳の頃から毎年、毎日のように参加し続ける郡上市八幡町の松浦芳美さん(56)も、その日を心待ちにする。【横田伸治】

 物心が付く前から郡上おどりの輪に加わり、子どもの頃は、一人でも毎晩出かけた。地元の大人たちからは、踊りが大好きという意味の「踊り助平」と呼ばれた。

 熱中したきっかけは、祖父の故枡田耕三さんの存在だった。踊りの歌い手として抜群ののどを披露し、保存会長も務めた祖父の姿を見て、自然と引きつけられた。祖父から強いられることは無かったが、しなやかながら力強い身のこなしを見て、「私もああいうふうになりたい」と熱中。子どもの頃は、徹夜おどりにも仮眠を挟みながら参加するほどの入れ込みようだった。

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