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養老先生のさかさま人間学

解剖学者の養老孟司さんが、ユニークな視点で世の中のできことを語ります。

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人と人との距離を考える

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 「疎密」という言葉があります。まばらなことと、きめの細かいことを意味する熟語で「人口の疎密」などというふうに使われます。

 疎密の「密」は狭い範囲に人が集まっていて、空間的な距離が近くなるということです。今は新型コロナウイルスの感染を防止するため、密集、密接、密閉の3密を避けろといわれていますね。

 「疎」はその反対。人がパラパラとしかいないので、距離も開いてしまいます。「過疎」は、地方に人が少なくなって、それが極端になった状態のことを指します。

 疎は訓読みで「疎(うと)んずる」と読みますね。これは実際の距離ではなく、気持ちの上の距離です。

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