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10年から一貫して減少してきた自殺者数が増加に転じた背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に社会全体が翻弄(ほんろう)され、官民で取り組む自殺対策についても予期せぬ事態に十分対応しきれなかった点はあると思う。
特徴として、女性の自殺が増加した。著名人の自殺報道の翌日から7月と9月に急増しており、その影響が大きい。ただ、19年と比べ6月から増加傾向に転じていることを考えると、こうした報道がなくても増加に転じていた可能性が高い。そもそも日本の女性の自殺率は世界的に見て高い。実数で見ると男性より少ないが、生きづらさを感じている女性が多いのではないか。新型コロナの感染拡大で不安定な雇用や育児、介護での孤立、配偶者からの暴力悪化が影響した可能性もある。また、若年層の自殺も増えたが、15~34歳の死亡原因の第1位が自殺…
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