- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
「過去の女性皇族の結婚会見では見たことのない、異例な内容が随所に盛り込まれていました。お二人の挑戦に引き込まれました」。小室眞子さん(30)と圭さん(30)が結婚を報告した26日の記者会見について、スピーチライターの千葉佳織さん(27)はこう評価する。自民党総裁選候補らの演説を分析してきた千葉さんは、特に会見の最後の眞子さんの言葉が印象的だったという。「話し方のプロ」から見た、会見の隠れたポイントを聞いた。【木許はるみ/デジタル報道センター】
――お二人の会見の冒頭について、どう感じましたか。
◆お二人の本気が伝わってきて、スピーチライターとしてとても心を動かされました。最初に驚いたのは、眞子さんの次の言葉でした。
「本日、みなさまにお伝えしたいことがあるため、このような場を設けました。私が皇族として過ごしてきたなかで抱いてきた感謝の気持ち、私たちの結婚を心配し、応援してくださった方々への感謝、これまでの出来事のなかで私たちが感じてきたことや結婚への思いなどについて、お話ししたいと思います」
なぜ驚いたかというと、これまでの女性皇族の結婚会見では、今回のように、はじめに話の内容を提示する場面を見たことがなかったからです。私は分析にあたって、平成以降に結婚した3組の発言について報道などに目を通しました。2005年の黒田清子さんと慶樹さん、14年の千家典子さんと国麿さん、18年の守谷絢子さんと慧さんの3組です。たいてい今の心境を語った後、新生活への抱負や家族への思いを述べており、定型の流れを感じました。今回は最初からいつもの形とは違うので、一気に見入りました。眞子さんの冒頭の言葉からはこれを伝えたいという覚悟を感じ、聞く方もしっかりと耳を傾ける態勢が整ったと思います。
謝罪や悲しさの後に「感謝」
――先述の冒頭部分でもそうですが、眞子さんは「感謝」の言葉を繰り返しており、会見全体で計10回使っています。
◆「感謝」の言葉を分析するには、それが使われる文章の構成がどうなっているか、がポイントになります。例えば、…
この記事は有料記事です。
残り3158文字(全文4025文字)