文化庁は3月27日、東京・霞が関から京都市に移り、業務を開始した。中央省庁が地方へ大規模移転するのは初めてで、モデルケースとなる。長官以下、全職員の7割弱に当たる約390人が5月中旬までに順次移る。国が日本文化の発信拠点と位置づける京都で、文化庁は役割を果たせるのか。成否のカギを聞いた。
生活文化を体感、行政に反映を 市田香・京都市元離宮二条城事務所長
京都市は「文化首都」という言葉を掲げている。日本の首都は東京だが、「文化といえば京都だよね」と言ってもらえる都市になることだ。芸術だけが文化ではなく、自宅の前を掃除する「門(かど)掃き」も文化だ。京の町は生活の中に文化があり、それが暮らしの中に色濃く残っている。
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