「どうして将太だったのか」 13年分の疑問ぶつける父の裁判
毎日新聞
2023/6/6 15:00(最終更新 6/6 19:37)
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受話器を握りしめながら、メモ用紙に「逮捕」と殴り書きした。刑事からの唐突の連絡に戸惑った。16歳だった息子の命を奪ったとされたのは、一つ年上の男性だった。「どうして将太を殺さなあかんかったのか」。13年間、抱き続けてきた疑問をぶつける時がようやく来た。
2010年10月4日深夜、神戸市北区の路上で高校2年生だった堤将太さん(当時16歳)が何者かに襲われ、失血死した。ナイフで頭や首などを刺されていた。事件が動いたのは11年後。殺人容疑で逮捕、起訴された男性(30)の公判が7日に始まる。
4人きょうだいの末っ子として生まれた将太さん。幼い頃は野球に打ち込んだ。高校入学後は車やオートバイに興味を持ち、自動二輪免許取得を目指していた。父の敏さん(64)が営む電気設備会社の仕事も手伝うようになり、「おとんの仕事を継ぐのもええな」と夢を語っていた。
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