「どうして将太だったのか」 13年分の疑問ぶつける父の裁判

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初公判を前に事件当時の様子などについて話す堤将太さんの父敏さん=神戸市北区で2023年5月17日、梅田麻衣子撮影
初公判を前に事件当時の様子などについて話す堤将太さんの父敏さん=神戸市北区で2023年5月17日、梅田麻衣子撮影

 受話器を握りしめながら、メモ用紙に「逮捕」と殴り書きした。刑事からの唐突の連絡に戸惑った。16歳だった息子の命を奪ったとされたのは、一つ年上の男性だった。「どうして将太を殺さなあかんかったのか」。13年間、抱き続けてきた疑問をぶつける時がようやく来た。

 2010年10月4日深夜、神戸市北区の路上で高校2年生だった堤将太さん(当時16歳)が何者かに襲われ、失血死した。ナイフで頭や首などを刺されていた。事件が動いたのは11年後。殺人容疑で逮捕、起訴された男性(30)の公判が7日に始まる。

 4人きょうだいの末っ子として生まれた将太さん。幼い頃は野球に打ち込んだ。高校入学後は車やオートバイに興味を持ち、自動二輪免許取得を目指していた。父の敏さん(64)が営む電気設備会社の仕事も手伝うようになり、「おとんの仕事を継ぐのもええな」と夢を語っていた。

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