福岡県内各地で取材する記者たちが、そのこぼれ話や記事の行間に込めた思いを語ります。
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頑張れ鈴木選手 /福岡
2024/4/26 05:06 324文字遠賀町出身で夏のパリ・オリンピック競泳女子の100メートルと200メートル平泳ぎに出場する日本代表、鈴木聡美選手(33)が、町から特別表彰された。 功績紹介で「2023年には10代の時の自己最高記録を更新した」と聞いた。弊紙にも載っていたが、恥ずかしながら知らなかった。23年7月の世界選手権100
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ちょボラ隊 /福岡
2024/4/25 05:18 310文字福岡市南区の老司小学校周辺は平日朝、蛍光色のジャンパーで旗を持った人たちがあちこちに立つ。児童の登校を見守る「ちょボラ隊」の地域住民だ。 隊名は「ちょっとボランティア」の略。同小児童が通学中に通り魔に襲われた事件を機に2003年5月から活動を始め、05年に団体として名付けた。初代隊長の竹内勝寿さん
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偏見 /福岡
2024/4/24 05:18 307文字「俺らの雑誌、買ったことある?」。学生時代にサッカーをしていた時、男性の何気ない質問にドキリとした。 私が参加したのは、ホームレス支援に取り組むNPO法人「ビッグイシュー基金」が開くサッカープログラムだ。参加者の多くが路上生活者の自立を支援する雑誌の販売者だった。 当時、街中で販売員を見かけても避
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また火災 /福岡
2024/4/23 05:10 308文字2度の大規模火災に見舞われた旦過市場(小倉北区)の1度目の火災から19日で丸2年となった。その翌日、同区魚町の繁華街で再び火災が発生。周辺では1月にも鳥町食道街一帯で火災が起きたばかりだった。 今回の火災は「配管から火が出ている」との通報だったが、鳥町食道街などの火災は飲食店関係者が鍋やフライパン
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できるんよ /福岡
2024/4/20 05:15 322文字岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「長島愛生園」に10歳で入所し、86年暮らす宮崎かづゑさん(96)の人生を描いたドキュメンタリー映画「かづゑ的」が全国で上映されている。 差別にさらされ、どんなにつらかっただろうと考えていた予想は見事に外れた。家族の愛に支えられたかづゑさんの言葉は「山坂はあるん
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図書館巡り /福岡
2024/4/19 05:08 307文字前任地・筑豊には「平成の大合併」でできた自治体がいくつかあり、合併前の公立図書館が分館として今もいくつか残る。 職場にいると、突然の来客や電話があり、どうしても最優先で済ませないといけない原稿は取材先の最寄りの図書館で書いた。なかには宇宙船を思わせるようなメタルチックな建物や、出来たてのコーヒーや
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どんな政治家に? /福岡
2024/4/18 05:04 308文字14日に投開票された行橋市議選を取材中、2人の新人候補の対照的な振る舞いを目にした。 1人は雨の中、JR行橋駅前にずぶぬれで立ち、行き交う一人一人に丁寧に頭を下げていた。「そこまでしなくても」とあわれむ人もいるだろうが、私には彼の必死の思いが伝わった。 もう1人は投票日前日の午後8時半ごろ、繁華街
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その後の記録 /福岡
2024/4/17 05:15 310文字「災害関連死事例集」と名付けられた資料が内閣府のホームページで公開されている。災害の「その後」に、心身の負担や持病の悪化など、さまざまな理由で亡くなった人々の記録だ。その数は202人分に上る。 発災前は訪問看護を受けながら車椅子での散歩やテレビを楽しみ、平穏に生活していた▽自宅が半壊したが2カ月半
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地域の力 /福岡
2024/4/16 05:05 300文字「これ、どうぞ」。自宅近くの商店街を子どもと歩いていると、高齢の女性店主から一輪の花を手渡された。子どもが通う保育園で飾ってほしいということだった。 いつも歩いている通りで、あいさつを交わすだけの間柄。一方で、ホッとしたやり取りに心温まり、子どもたちが地域に見守られているように感じた。 小学校の新
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てくてく /福岡
2024/4/13 05:14 315文字2、3月に本紙北九州、京築、筑豊各版で連載した企画「てくてく黒崎」を担当した。「がんばろう旦過市場 店主編」(2023年6~8月)、「ぐるっと関門」(同10、11月)に続き、街にスポットを当て魅力に迫るシリーズの第3弾だ。 企画名を決め、全14回の連載で取材させてもらう店舗・施設を選定。うち8カ所
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楽しみながら /福岡
2024/4/13 05:14 303文字「次は暖かい所だね」。福岡への異動を告げると度々かけられた言葉だ。赴任直後には同じように福岡で新生活をスタートさせたウクライナ避難者の新入社員を取材した。日本語で受け答え、故郷を思う姿に離れたばかりの新潟を思い浮かべた。 入社から4年間過ごした雪国は4月でも雪やみぞれがちらつき、咲いたばかりの桜の
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楽しみながら /佐賀
2024/4/12 05:04 295文字「次は暖かい所だね」。福岡への異動を告げると度々かけられた言葉だ。赴任直後には同じように福岡で新生活をスタートさせたウクライナ避難者の新入社員を取材した。日本語で受け答え、故郷を思う姿に離れたばかりの新潟を思い浮かべた。 入社から4年間過ごした雪国は4月でも雪やみぞれがちらつき、咲いたばかりの桜の
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患者塾 /福岡
2024/4/11 05:09 314文字毎月第1、3水曜掲載の「患者塾」は27年目に突入する長寿コーナーだ。初回は1998年4月11日に開催。告知記事には「患者と医者が理解し合い、共に病気に立ち向かっていきたい」とあり「患者と医者は対等」との理念が込められていた。 コロナ禍で定期開催は一時休止したが、3月に復活。常連さんたちが、小野村健
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再会できるだろうか /福岡
2024/4/10 05:09 320文字1950年代は20館近くあった福岡市博多区中洲の映画館。最後の「大洋映画劇場」(中洲大洋)が3月で閉館した。最後の作品「黄金狂時代」上映後、社長の岡部章蔵さんは映画館前に集う大勢の観客に「銀幕の向こうにはいつも夢がありました。78年間本当にたくさんの夢を見させていただきました」と頭を下げた。終戦直
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歴史ロマン /福岡
2024/4/6 05:04 313文字郷土史家らで作る「全国かくれキリシタン研究会」の全国大会が開かれたのは昨年11月。全国から約80人が集まり、小倉や香春町に残る史跡を巡った。 印象的だったのは、1829年に光願寺(香春町)であった宗門改めの像踏み(踏み絵)で、2891人中2078人が像を踏まなかった記録があるとの説明だ。彼らが潜伏
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再出発の春 /福岡
2024/4/6 05:04 311文字真新しいスーツに身を包んだ新規採用職員の中に、年齢層が高い人たちの姿があった。1日にあった県庁の辞令交付式。309人の新職員の多くは若者だが、8人はバブル崩壊の影響を受けた就職氷河期世代が対象の試験で選ばれた職員だ。 県は4年前にこの世代の採用試験を始めた。昨年度実施された採用試験の倍率は15・1
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不完全燃焼 /福岡
2024/4/4 05:20 309文字大牟田市動物園を舞台にした映画「いのちスケッチ」(2019年)の瀬木直貴監督(60)が、再び大牟田で映画を製作することになった。 また大牟田を選んだのは、一つは前作が公開後の新型コロナウイルスの影響で「不完全燃焼に終わったから」。行動制限で関連イベントやロケ地の聖地巡礼も思うようにはならなかった。
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止まり木 /福岡
2024/4/3 05:09 310文字3月で78年の歴史に幕を下ろした大洋映画劇場(福岡市博多区)。閉館間際、らせん階段から2階ロビーの壁を来場者のメッセージカードが埋め尽くした。 「学校に居場所がなかった私が安心して来られるところでした」。中でも劇場のたたずまいやぬくもりに対する言葉が多かった。「客の笑顔のため」開業した当時からの変
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帰ってくる天神地蔵 /福岡
2024/4/2 05:06 313文字福岡市中央区の天神交差点を長年見守ってきた「天神地蔵」が来週にも帰ってくる。 管理する近くの町内会長、藤木敏一さん(74)によると、ボランティアが1月に地蔵の帽子を取り換えに来たところ、後頭部の光背が割れていた。中央署が器物損壊容疑で捜査中だが、修復費用を求めるつもりはなく「名乗り出て、お地蔵さん
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甲子園取材 /福岡
2024/3/30 05:12 308文字初めて高校野球の甲子園取材に行ってきた。アルプス席は3月なのに例年と比べてかなり寒かったらしい。珍しくグラウンドに雪が舞った日や14年ぶりの2日連続雨天順延もあった。 予定されていた日に初戦や2回戦があった学校は、選手たちの調整はもちろん、応援に駆けつけた保護者や学校関係者も大変だったに違いない。
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