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トルコに送還で基本合意 EUが生活支援

閉鎖されるバルカンルート

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)とトルコは8日、当局の許可を得ないEUへの「違法な移民」をトルコに送還する新対策で基本合意した。EUは見返りにトルコ内の難民の生活向上に向けた追加支援を行い、トルコ人に対するEUの入国査証(ビザ)を免除する。来週の首脳会議で詳細を確認する。実現すれば、欧州の難民問題は解決に向けて大きく動き出すことになる。

     EUは、トルコのダウトオール首相と7日から首脳会議を開いて難民問題を協議。「違法な移民」の送還を受け入れるというトルコの新提案を「歓迎」する首脳宣言を8日に採択した。宣言は、新提案を「基本原則として検討することに同意」するとした。

     新提案は(1)当局の許可を得ないでトルコからギリシャに渡った「違法な移民」全員をトルコに送還する。国籍は問わず、費用はEUが負担する(2)違法な渡航を試みなかったシリア難民は、EU加盟国がトルコから直接、難民審査を経て受け入れる−−という内容。無許可でギリシャ入りしたシリア難民はいったんトルコへ送還され、EUへの受け入れで後回しにされる。

     トルコとギリシャが移民送還を早期に始め、6月1日にはEUとトルコ間の送還協定を発効させる。首脳宣言は、昨年85万人の難民が通った通称「バルカンルート」について「終わりを迎えた」と事実上の閉鎖を宣言した。ドイツのメルケル首相は「(トルコが合意を完全に履行すれば)根本的打開策になる」と述べた。

     EUは見返りに、トルコ国内に在住する約270万人のシリア難民の学校設立などのため2018年末までに30億ユーロ(約3700億円)を支援する。昨年合意した17年までに30億ユーロという支援に追加する。ビザ免除は6月末までに実施。トルコのEU加盟へ向けた検討項目の一部で交渉を開始する。ダウトオール首相は「EUとトルコは人道対策で見解を共有した」とEUとの対等な関係構築を強調した。

     また、ギリシャに滞留している3万人の難民については、EU加盟国への強制割り当てを早期に実施する。

    「条約で禁止」国連局長が懸念表明

     ロイター通信によると、国連難民高等弁務官事務所のクシュテル・ヨーロッパ局長は8日の会見で、EUとトルコの合意について「外国人の集団追放は欧州人権条約で禁止されている。また国際法にも合致しない」と懸念を表明。「(シリア)紛争が解決しない限り、人々が(祖国を)離れないようにすることはできない」と指摘した。【三木幸治】

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