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<ノーモア核被害 documentary report/64>
冷たい雨が降った今年2月3日、長崎市の山口彊(つとむ)さん(92)に訃報(ふほう)が届いた。約40年間、会えないままになっていた人だった。
佐藤邦義さん。享年87。三菱重工業長崎造船所の技師として、山口さんと共に出張先の広島で被爆。長崎でも被爆し、2人は二重被爆者となった。
熊本県天草市の佐藤さん宅に行くと、田んぼが点在するのどかな山あいに、妻田鶴子さん(87)が1人で暮らしていた。佐藤さんは終戦直後に天草市に帰郷。定年まで市役所に勤め、肺炎にかかって1年前に亡くなったという。
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