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命を守る情報伝達
鴨長明は「方丈記」で、1177年4月28日に発生し平安京の3分の1を焼いたという「安元の大火」について詳細に記述している。昨年末の新潟県糸魚川市の大規模火災についてニュースで見聞きした映像やその解説と同じ状況を、800年以上の時を経て今に伝えている。災害の報道や記録が被災地の内から外へ出来事を伝え、時間を超えて伝えるということの本質については、印刷メディアや放送メディア、インターネット上のウェブやSNSが存在しなかった昔から現代まで変わることはない。
一方、災害時に人々の命や財産を守るために必要なのは情報伝達である。先の糸魚川の事例では防災行政無線が火事の発生を早くから伝え、屋内設置の戸別端末が強風の中で確実に情報を伝達し、普段から聞き慣れた伝達手段で住民同士が情報を共有し、声を掛け合って避難できたことが幸いにも死者を出さなかったことにつながったとのことである。
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