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相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件のその後を追った。

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相模原殺傷事件2年 低賃金、過酷な現場 施設職員、苦悩深く 被告の心情「分かる」自分が怖い

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 障害者施設殺傷事件が起きた相模原市の「津久井やまゆり園」と同じ障害者支援施設は全国に約2500カ所あり、14万6400人以上が暮らす。施設からグループホームなどに生活の場を移す「地域移行」が進み、施設には重度・高齢の障害者が残る。人手不足の中、低賃金で働く職員たちの悩みは深い。

 「事件の被告は絶対許せない。でも、日々の業務に忙殺されると、どこかで『気持ちは分かる』と思ってしまう自分が怖い」。やまゆり園とは別の関東地方の入所施設で働く男性職員(34)は、そう打ち明ける。

 「人の役に立ちたい」と福祉を学び、3年前から職に就いた。やりがいは感じるが、入所者の大半は最重度の障害がある。たたかれたり、コミュニケーションを取ることに悩んだりすることも多い。1人で30人の面倒を見る夜勤は、トイレ誘導や失禁対応でほとんど眠れない。月給は手取り約20万円。月に80時間残業することもある。

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