団十郎は江戸歌舞伎の中でも別格の重みを持つ名前です。初代団十郎(1660~1704年)は、荒々しい演技「荒事」を始めました。七代目は二代目以降が受け継いだ荒事芸をまとめ、「歌舞伎十八番」を定めました。九代目は明治時代に歌舞伎を改革して「劇聖」と呼ばれ、「新歌舞伎十八番」を定めました。
代々、千葉県成田市にある成田山新勝寺を信仰してきたことから、市川団十郎とその一門の屋号(家の呼び名)を「成田屋」としてきました。歌舞伎で一門の俳優による演技が決まると、客席から「成田屋!」という掛け声が勢いよく上がります。