Q パパの足はなぜ臭いんですか?(大阪市、小3男子)
体にすみつく菌汚れ食べ、臭い出す
A 化粧品メーカー、マンダム(大阪市中央区)の技術開発センターでは、専門の研究員が延べ1800人以上の体臭をかいで研究しています。そこで「臭気判定士」という資格を持つ研究員の沢田真希さん(35)に話を聞きました。
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「汗は臭い」というイメージがありますが、実は汗そのものには、臭いはありません。汗や皮脂、アカなどの汚れが、人間の体にすみ着いている菌のエサとなり、排せつ物となって出ることで臭いが発生します。つまり、足には菌のエサがあり、菌がいるから臭いが出るということです。
足は、人によって差はありますが、男女に関係なく、大人も子どもも臭くなります。主な臭いの成分は、「イソ吉草酸」という酸っぱいような、納豆のような不快度の高い臭いです。
読者のお父さんたちの中には、一日中、会社で靴を履きっぱなしという人も多いかもしれません。特に通気性の悪い革靴を履いている場合は、靴の中に湿気がこもり、菌が繁殖しやすくなります。営業で一日中歩き回ったお父さんの足は、汗をかくので、臭くなりやすいかもしれません。でもそれは、お父さんが一日頑張ってきた証しです。「今日もお疲れ様」と温かい目で見守ってください。
しかし、臭いを防ぐ方法はあります。臭いが発生するのは主に、指の間や爪のくぼみです。お風呂に入った時に、この部分をせっけんでしっかり洗います。お風呂から上がったら、足をふくことも大事です。菌はジメジメした場所が大好き。菌を増やさないためにも、指の間までしっかりふきとりましょう。お出かけ前に、殺菌や汗を止める成分が入っているデオドラント商品を使うのも効果的です。
足がきれいでも、靴に菌がすみ着いていたら、意味がありません。靴はしっかり乾燥させ、殺菌します。できれば、革靴は2足用意し、1日交代で使用し、陰干しして、しっかりと乾かすとよいでしょう。
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沢田さんは興味深い話を教えてくれました。子どもは嗅覚が鋭い一方で、「イソ吉草酸」の臭いは年齢とともに気づきにくくなる傾向があるそうです。「だからこそ、子どもはパパの足がより一層、臭いと感じるのかもしれませんね」【長尾真希子】<イラスト・村上和>
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