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人生の道しるべとなった一冊、読書を楽しむきっかけとなった一冊。過去に読んだ書籍の魅力や思い出を政治家に語ってもらいます。

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山口那津男氏/下 「三月の空を見上げて」 離島暮らしの「誇り」、児童文学者の「反戦」

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八丈小島の写真を示しながら話す公明党の山口那津男代表=東京都千代田区で、竹内紀臣撮影
八丈小島の写真を示しながら話す公明党の山口那津男代表=東京都千代田区で、竹内紀臣撮影

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 この本は児童文学作家の漆原智良さんの自伝だ。漆原さんと出会ったのは、2001年に参院議員に初当選した後だ。伊豆諸島の無人島・八丈小島の野生化したヤギの問題がきっかけだった。

 この島は、八丈本島の西4キロにある絶海の孤島で、平地がほぼない。以前は人が住んでいたが、高度成長期に働き盛りが島外に出て生活の維持が困難になり、1969年に91人の全島民が離島した。

 その際に家畜のヤギ約10頭が残され、00年ごろには数百頭に増えた。島の植生が荒れて土砂が海に流出し、島周辺のイセエビやトコブシなどの漁場に被害が出始める。八丈町や東京都庁では銃による駆除も検討されたが、最終的には、網で生け捕りにして本島で飼育しながら引き取り手を探す枠組みが作られた。

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