九州の在来種米 幻の「穂増」復活へ 熊本の若手農家 甘く太めの粒、香りは「お日様」

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田植えに向けてすくすくと育つ「穂増」の苗に笑顔を浮かべる実取義洋さん=熊本県菊池市で2019年6月6日午後2時39分、福岡賢正撮影
田植えに向けてすくすくと育つ「穂増」の苗に笑顔を浮かべる実取義洋さん=熊本県菊池市で2019年6月6日午後2時39分、福岡賢正撮影

 江戸時代の終わりから明治時代にかけて、熊本県内を中心に盛んに栽培された在来種米「穂増(ほまし)」を復活させようと、若手農家らが奮闘している。新しい品種に押されて次第に作られなくなったが、今秋から食用販売できるところまでこぎ着けた。

 穂増は1833(天保4)年に現在の熊本県八代市で女性の農家が種取りし、熊本を中心に九州一円で栽培された。現在の品種に比べると粒が太くて短く、ずんぐりした形で、炊くとしっかりしたかみ応えがあってかむほど甘みが出る。布団を干した後の「お日様の香り」のような独特の香りが特徴だ。

 しかし、稲が倒れる「倒伏(とうふく)」や稲穂から種モミが落ちる「脱粒(だつりゅう)」が起きやすいため、明治以降は育てやすく多収量の新品種に取って代わられ、やがて栽培農家がいなくなった。

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