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続・西谷流地球の歩き方

世界を取材するフリージャーナリストの西谷文和さんが、各地のエピソードをつづります。

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続・西谷流地球の歩き方

乾ける15万人に希望の水路

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手作業で水路を掘る人たち=アフガニスタンで、西谷文和さん提供
手作業で水路を掘る人たち=アフガニスタンで、西谷文和さん提供

 2010年1月、アフガン東部のジャララバードで中村哲さんと出会った。医師でペシャワール会の現地代表でもある中村さんは、伊藤和也さん殺害事件後もこの地に残り、「巨大プロジェクト」に取り組んでいる。

 中村さんの案内でカナール(運河)へ。「この辺りは急激に砂漠化したんです。大干ばつに襲われて、みんなパキスタンへ」。中村さんによると、戦争も原因の一つだが、もっと大きな問題は干ばつだという。なぜ干ばつに? 

 その答えは気候変動。かつてはヒンズークシの山々に降り積もった雪が春になって流れ出し、ふもとの大地を潤していた。しかし温暖化の影響で雪が雨になり、春を待たずに流れ去ってしまう。難民たちは「戦争難民」であり「気候難民」であった。

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