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「まただめだったか……」。2011年3月の東日本大震災でマルハニチロ石巻工場(宮城県石巻市)が被災し、新工場建設に向けて動き出した工場長(当時)の山口龍一(61)は壁にぶつかっていた。被災企業の設備復旧費を負担する国の補助金を申請していたが、中小企業が優先されたため審査を通らず、13年3月に3度目の「落選」が通知された。
「津波で家族が亡くなった」「何とかして働けないか」。地元に残った従業員たちの傷痕は深く、思いに応えたかったが、本社からは「補助金がだめなら新工場は無理」との声が聞こえてきた。落胆する山口に「新しい補助金制度があります」と声をかけたのが、石巻市で企業誘致を担当していた高橋秀和(47)だった。
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