非正規雇用の短歌

　正規雇用者を３年間で３０万人増やす――。

　バブル崩壊で非正規雇用で働くことを余儀なくされた「就職氷河期世代」の就労を支援するため、政府は来年度予算の概算要求に１３４４億円を計上した。

　簡単にはいかないと心配する声は多い。政府は今こそ本気で取り組まねばならない。

　思い出す短歌がある。

　＜非正規という受け入れがたき現状を受け入れながら生きているのだ＞

　作者は、自身も非正規雇用だった歌人の萩原慎一郎さんである。２０１７年、３２歳で自ら命を絶った。作品は歌集「滑走路」に収められている。