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滝野隆浩の掃苔記

社会部・滝野隆浩専門編集委員のコラム。

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滝野隆浩の掃苔記

300年の時空を超えて

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300年の風雪に耐え守られてきた神父の墓。墓石に触れる長江先生は感慨深げだった=東京都調布市のサレジオ神学院で
300年の風雪に耐え守られてきた神父の墓。墓石に触れる長江先生は感慨深げだった=東京都調布市のサレジオ神学院で

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 今年はフランシスコ・ローマ教皇の訪日もあったし、次はここしかない。「お墓博士」の長江曜子・聖徳大学教授と行く墓めぐり第4回の目的地はすんなり決まった。サレジオ神学院(東京都調布市)の敷地内にある宣教師ジュゼッペ・キアラ(1602~85年)の墓。遠藤周作の代表作「沈黙」の主人公ロドリゴ神父のモデルである。

 京王線調布駅から歩いて20分。市の文化財に指定されている墓はすぐに見つかった。高さ1・5メートルほどの墓石の上に、丸い司祭帽の形をした「笠(石)」が乗っている。市の資料によると、この墓石は「小石川無量院↓雑司ケ谷霊園↓練馬・サレジオ神学院」と移転し、1950年に現在地に安置されたという。場所は変わっても、300年以上大切にされてきた墓なのだ。

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