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社会部、ワシントン・エルサレム特派員などを歴任した大治朋子専門記者によるコラム。

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暴力という磁石=大治朋子

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 「幼いころに暴力に接すると(それに)取りつかれる。人間は、生き残りに関わるデータにひきつけられるように生まれついているが、暴力ほど生き残りに関わるデータはないからだ」

 米陸軍士官学校の教授(心理学)を務めたデーブ・グロスマン氏がその著書「『戦争』の心理学 人間における戦闘のメカニズム」(二見書房)で書いている。

 グロスマン氏といえば、暴力の心理分析で知られる研究者だ。人間の脳は「自己プログラミング・コンピューター」であり、生き残るために重要な情報を優先的に取り込む。特に生まれてから小学校に入るぐらいまでの間に学んだことは、成人後の判断や行動に大きく影響をおよぼしやすいという。

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