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私の体はテレビでできている

早稲田大演劇博物館館長を務める岡室美奈子教授が、過去や現在の、ひょっとしたら未来のドラマの世界も旅しながら、折々のことを語ります。

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私の体はテレビでできている

政権暴露ドラマの現実感

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「ザ・コミー・ルール 元FBI長官の告白」の一場面(WOWOWプライムで12月18日午後3時20分から再放送) (c) 2020 Showtime Networks Inc. All rights reserved.
「ザ・コミー・ルール 元FBI長官の告白」の一場面(WOWOWプライムで12月18日午後3時20分から再放送) (c) 2020 Showtime Networks Inc. All rights reserved.

 <教授・岡室美奈子の私の体はテレビでできている>

 大統領選挙を間近に控えた今年9月27日、あるテレビドラマがアメリカで話題となった。ドナルド・トランプ大統領によって任期途中で解任された元米連邦捜査局(FBI)長官、ジェームズ・コミーの暴露本を原作とする「ザ・コミー・ルール」である。日本でも大統領選挙直前の11月1日にWOWOWで放送された。

 本作前半のハイライトは、2016年の大統領選挙前に、民主党のヒラリー・クリントン候補が国務長官時代に公務で私的なメールアカウントを使用していたことをFBIが捜査・公表した顚末(てんまつ)だ。いったん情報漏えいの疑惑は晴れるものの、選挙直前に新たに大量のメールが発見されたため、コミーは再捜査を決断し、公表する。その一方で、ロシアがトランプ候補を勝たせるために情報操作を行ったという、いわゆるロシアゲ…

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