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滝野隆浩の掃苔記

社会部・滝野隆浩専門編集委員のコラム。

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戦中写真アーカイブ共同研究発表会で自由討論する(左から)毎日新聞の佐々木博子さん、東京大の中村覚助教、京都大の貴志俊彦教授、東京大大学院の渡邉英徳教授=東京都文京区で2022年5月18日午後3時38分、猪飼健史撮影
戦中写真アーカイブ共同研究発表会で自由討論する(左から)毎日新聞の佐々木博子さん、東京大の中村覚助教、京都大の貴志俊彦教授、東京大大学院の渡邉英徳教授=東京都文京区で2022年5月18日午後3時38分、猪飼健史撮影

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 その写真を目にしたとき、はっと息をのんだ。渡邉英徳・東京大大学院教授がインターネット上で公開した<「二・二六事件」で決起した直後、半蔵門を占拠する反乱部隊>の写真である。

 白黒写真を独自の手法でカラー化した。白黒だと陰鬱な歴史の「資料」でしかないが、色がついたとたんに、一面の雪景色の中にぽつんと立つ兵士に関心が向く。小銃を横にして脇に抱え雨傘の人と話す兵士に「反乱」の緊張感はない。想像をかきたてられた。

 渡邉教授の研究に興味を持ち、写真集「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」(庭田杏珠さんとの共著)を興味深く読み、「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」にたどりついた。こちらは被爆地のデジタル地図にその場所で被爆した人の顔写真が埋め込まれ、クリックすれば証言記録が出てくる。動画もある。

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