習志野の機動力空回りさせた 東邦の技と工夫
毎日新聞
2019/4/3 19:26(最終更新 4/3 19:27)
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第91回選抜高校野球決勝 ○東邦6-0習志野●(3日・甲子園)
浅い飛球が前進守備を敷く左翼手のグラブに収まった。スタートを切っていた習志野の一塁走者・根本は既に二塁を回っていて戻れない。併殺となり、反撃ムードはしぼんだ。
3点を追う四回、先頭の根本が左前打を放って無死一塁。右打席に小技のうまい2番・竹縄が入った。初球のセーフティーバントがファウルになり、小林監督は「空振りになっても(俊足の)根本なら盗塁の形になる」とバスターエンドランのサイン。失敗を覚悟した上で「動かない選択肢はない」状況だった。
だが、竹縄にとって誤算が二つあった。一つは東邦の右腕・石川の投球術。「投げるまでボールを長く持ったり、クイックを使ったりされて、うまくタイミングを合わせられなかった」。二塁ベースカバーのためにがら空きの遊撃手の定位置正面へゴロを転がすはずが、打球はフライになった。もう一つの誤算は左翼手の前進守備。「左翼手の前に落ちると思ったが、研究されていた。技術以外の工夫でも相手が一枚上だった」と脱帽した。
習志野は一、五回を含めて3回の無死の走者を生かせず、準決勝までの4試合で13を数えた犠打も決まらなかった。それでも、10年ぶりのセンバツでチーム初の決勝進出。準決勝で重盗で得点するなど、小林監督の掲げる「打撃ではなく攻撃をする」という理念は貫いた。主将でもある竹縄は「やってきたことは間違いじゃない」と言い切る。自信と悔しさを持ち帰る春になった。【石川裕士】
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