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特定の民族や人種など人の尊厳を傷つけるヘイトスピーチは、どんな形であっても許されません。なくすためにはどうする?

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匿名の刃~SNS暴力考

「SNSやるな」は暴論 “炎上”への対処法 実名制や罰則よりも必要なこと

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国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授
国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授

 会員制交流サイト(SNS)で、暴言や誹謗(ひぼう)中傷が集中する「炎上」への対処法が課題になっている。「発信内容を制限すればいい」「気にしなければいい」「SNSをそもそもやらなければいい」などの意見も一部であるが、国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授(ネットメディア論)は「今日のSNSが浸透した情報社会にそぐわない対処法だ」と指摘する。表現の自由を守りながら、私たちは「炎上」にどう対応していくべきなのか聞いた。【野口麗子/大阪地方部】

ネットの特徴そのものが引き起こした

 ――人気番組に出演したプロレス選手の女性が急死。SNSで誹謗中傷を受けていたことをどう受け止めていますか。

 ◆インターネットは、誰もが自由に発信できる空間です。リアルでは、会話の中で質問されたから答えるとか、言いたいことをずっと言っている人がいたら誰かは止めに入ったり、司会がコントロールしたりします。しかし、ネットではそうしたことは起きにくく能動的な発信だけでも世界が成り立ってしまう。

 ――ネットは匿名であるゆえ攻撃性が強くなるとも言われます。

 ◆非対面コミュニケーションでは攻撃的になりやすいという社会心理学の研究があります。相手が人間であるという意識が薄れるからです。対面であれば、誹謗中傷すれば相手が悲しい顔をするなど、若干鈍感な人でも察することができると思います。でも、ネットだとそこに想像が至らなくなってしまいます。もちろん配慮できる人もいますが、攻撃的になる人も出てきてしまいます。

 元々、極端な意見…

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