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米中が初めて結んだ条約は「望厦(ぼうか)条約」だ。アヘン戦争後の1844年にマカオで調印された。この条約で初めて公式に使われたのが「合衆国」の表記だ。州が集まった連邦共和国を意味する「ユナイテッド・ステーツ」の訳で、日本でも使われるようになった。
それ以前には「合省国」の表記もあったという。日本でも「合州国」の方が適訳という議論があるが、選挙で代表を選ぶ共和制のイメージから「衆を合わせた国」という意味の「合衆国」表記が定着していったのだろう。
それでも米国の本質は「州を合わせた国」ではないかと思わされる時がある。4年に1度の大統領選もそうだ。州ごとの勝敗で得られる選挙人の総数で最終的な勝者を決める制度は州の合意で連邦政府が作られた歴史の反映だ。
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