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八木詠美さん(作家) 「平行」の中を生きていく 『休館日の彼女たち』で河合隼雄物語賞

 仕事の話し相手は、名前も自由も奪われた大理石の女神像――。そんな不思議な設定の物語が、第12回河合隼雄物語賞に選ばれた。八木詠美(えみ)さん(35)の第2作『休館日の彼女たち』(筑摩書房)。コミュニケーションが苦手な女性がビーナス像に恋をし、それぞれの自由を求めて立ち上がるシスターフッド小説だ。「現代の日本で生きる女性を描こうと思ったら、ジェンダーの問題を全く無視するのは難しい」と八木さんは語る。

 主な舞台は休館日の博物館。主人公のホラウチリカ(通称ホーラ)が、ビーナス像とラテン語で会話する場面から物語は始まる。それは大学の恩師に紹介されたアルバイトだった。「夜遅くまで開館している美術館の新聞記事を読み、『誰もいない館内で彫刻に話しかけたらどんな会話になるんだろう』と思った」のが、構想の直接のきっかけだったと振り返る。

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