突然、知らない男性が「家行く」 油断が招く位置情報アプリのトラブル

繁華街でスマートフォンの画面を見つめる女性ら(本文とは関係ありません)=福岡市内で2022年10月22日午後4時10分、近松仁太郎撮影
繁華街でスマートフォンの画面を見つめる女性ら(本文とは関係ありません)=福岡市内で2022年10月22日午後4時10分、近松仁太郎撮影

 「友達」として承認した相手なら、お互いの位置情報をリアルタイムで把握できる「位置情報共有アプリ」。若者の間で利用が広まっている半面、インターネット上で知り合った面識のない異性から突然、「住所、知っているから会いにいく」と言われるようなトラブルも生じている。その実態に迫った。

 「この子は今、家にいる。声を掛けようかな」「遠出したら偶然近くに友達がいた。合流しちゃおう」。高校時代の友達らと位置情報共有アプリを利用しているというアルバイトの女性(21)=福岡県久留米市=は、ふとした時に「みんな、何してるかな」とアプリを開くという。

 大阪在住の友達が福岡の実家にいると分かれば「いつまでいるの?」とメッセージを送る。居場所を尋ねる質問が省けるため「連絡の手間が減って便利」。女性は「周りの友達もさまざまなアプリを使い、位置情報が分かる画像や動画を1日に何度も投稿している。居場所を教えているのと同じで抵抗はないと思う」と話す。

 女性が利用するアプリは「zenly(ゼンリー)」。米スナップ社が提供するSNS(ネット交流サービス)の一種で、ダウンロード数はアンドロイド版だけでも1億を超える。

 国内では2018年ごろから人気が広がった。電話番号かIDを交換して相互に承認すれば、スマートフォン画面の地図上に自分や相手の居場所を示すアイコンが現れる。移動の状況や現在地の滞在時間も表示され、離れていても互いの動きを24時間365日、把握できるのが最大の特徴だ。

 ゼンリーのユーザーは、若者が多いとされる。毎日新聞が9~10月、福岡市内の繁華街で10~20代の男女計25人に尋ねたところ、19人が利用していた。

 中学3年の女子生徒(14)=同市=は小学5年からスマホを持ち、中学入学後にゼンリーを利用し始め…

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