被ばくの恐怖、ポルトガル語で作業…「イチエフ」外国人労働者の実態

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東京電力福島第1原発のタンクの前を通り過ぎる作業員=福島県大熊町で2015年6月3日、森田剛史撮影(写真の作業員は本文と関係ありません)
東京電力福島第1原発のタンクの前を通り過ぎる作業員=福島県大熊町で2015年6月3日、森田剛史撮影(写真の作業員は本文と関係ありません)

 2013年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、安倍晋三首相(当時)が東京電力福島第1原発(イチエフ)の汚染水対策について「状況はコントロールされている」と胸を張り、東京オリンピックの開催は決まった。世界に約束した「アンダーコントロール」のために貯蔵タンクを急ピッチで造る必要があった現場には、作業を担わせることをゼネコンが嫌ったという日系ブラジル人ら外国人労働者も投入された。彼らは汚染水対策の最前線で、どんな思いで原発事故の後始末を担ったのか。そこには、放射線被ばくを恐れながらポルトガル語で言葉を交わし合った“イチエフ外国人作業員”たちの姿があった。【関谷俊介】

「親戚がイチエフで働いていた」

 5年前の前回オリンピック、ブラジル・リオデジャネイロ大会が開幕した16年8月6日朝、私は東京から新幹線に乗って名古屋を目指していた。「汚染水対策の仕事をした」というブラジル・サンパウロ出身の日系2世の男性に会うためだ。

 イチエフで働く外国人がいる――。そんなうわさを聞いてから、この男性にたどり着くまで2年を要した。日本で暮らす外国人への支援団体や福島・浜通りの廃炉業者、外国人労働者の人材派遣会社をいくつも回った。在日ブラジル人が集まるイベントに足を運んだこともあった。取材の過程で、…

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