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沖縄知事選2022

辺野古移設の行方を左右する沖縄知事選は9月11日投開票。復帰50年の政治決戦を通して、沖縄の今を伝えます。

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政府と対決姿勢強める玉城氏 “民意”信念「ワールドワイドに」

再選を確実にし喜ぶ玉城デニー氏(中央)=那覇市で2022年9月11日午後8時33分、喜屋武真之介撮影
再選を確実にし喜ぶ玉城デニー氏(中央)=那覇市で2022年9月11日午後8時33分、喜屋武真之介撮影

 11日投開票された沖縄県知事選は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー氏(62)が、岸田文雄政権が支援した佐喜真淳(さきま・あつし)氏(58)らを破って再選を果たした。知事選では2014年以降、3回連続で「移設反対」の民意が示された形で、玉城氏は政府との対決姿勢を強める。辺野古の埋め立て予定海域にある軟弱地盤の改良工事着手には知事の「承認」が必要で、移設計画の先行きは不透明さを増した。

辺野古移設、最大の争点化が後押し

「間違いなく今回は辺野古の新基地建設が大きな争点だった。私の再選は県民の思いが1ミリもぶれていない結果だ」。11日夜、当選確実が報じられた玉城氏はそう強調した。同日に投開票された県議補選(被選挙数1)でも玉城氏が支援した新人が自民公認候補ら3人を破り、県議会で知事与党会派が定数48の半数を維持。議長を除くと、その他の会派の議席を上回り、安定した県政運営が見込める。移設に反対する「オール沖縄」陣営からは安堵(あんど)の声が漏れた。

 当初は厳しい戦いが予想された。普天間飛行場の移設工事が進む辺野古沿岸部では一部が「陸地化」し、移設阻止への期待はしぼんだかに見えた。玉城氏の陣営も「移設反対の訴えだけでは勝てない」と危機感を抱いていた。

 だが、参院選後に出馬表明した元衆院議員の下地幹郎(しもじみきお)氏(61)が普天間飛行場所属機の訓練を鹿児島県の馬毛島に移転する構想を提案。佐喜真氏も「移設容認」の姿勢を打ち出したことで、辺野古移設を巡る主張がくっきりと分かれた。移設問題が最大の争点となり、玉城氏を支えた県議は「辺野古の海は埋め立てさせないとの訴えが県民に伝えられた。相手(候補)との対比が明確になったのが良かった」と振り返った。

 今回の勝利で「移設反対」の根強い民意が示された形だが、移設阻止に向けた展望が開けたわけではない…

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