天皇陛下視察のインドネシア遺跡 奈良に同じ構造の仏塔 その起源

ボロブドゥール寺院=日本アセアンセンター提供
ボロブドゥール寺院=日本アセアンセンター提供

 天皇陛下は22日、インドネシアのジャワ島中部にある世界最大級の仏教遺跡「ボロブドゥール寺院」(1991年世界文化遺産登録)を視察される。8~9世紀に建造されたとみられる寺院は、階段状ピラミッド型の仏塔で、数多くの仏像やレリーフ(浮き彫り)が配置されている。同じ構造を持つ仏塔はインドや中国では見られないが、はるか約5400キロ離れた奈良市の東大寺近くに残されている。その理由はなぜか。

 ボロブドゥール寺院は8~9世紀に一帯を治めた王朝が造ったとされる。丘に土を盛り、整形した石を積み上げており内部空間はない。約120メートル四方の建物を支える基壇の上に、5層の方形壇、さらに3層の円形壇が載る階段状ピラミッド構造をしている。最上段の円形壇の中央には釣り鐘形のストゥーパ(釈迦(しゃか)の骨などを納めた仏舎利塔)が建ち、高さは約33メートル。

 各壇に置かれた石仏は計504体あり、仏教の経典などの説話に基づくレリーフが1460枚ある。寺院全体で密教的な宇宙観を示す立体的な「曼陀羅(まんだら)」との見方がある。

 日本で仏塔といえば、飛鳥時代に建立された法隆寺(奈良県斑鳩町)の五重塔など木造が多い。ただ、数は少ないが階段状ピラミッド構造で仏像や仏教説話に基づくレリーフが配置されたものも存在する。

 代表格は東大寺から南に約1キロにある…

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