「清風カット」はブラック校則or教育指導? 名門校で論争勃発
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「清風カット」はブラック校則か、それとも教育指導の一環か――。あのオリンピアンも輩出した関西の名門進学校で、全ての在校生を「拘束」する伝統の髪形ルールを巡って論争が起きている。「個性をもっと認めてもらえませんか」。変革を求めて声を上げたのは、現役の生徒たちだった。
その全貌は生徒手帳に
論争の舞台は、創立80年を間もなく迎える「清風高校」(大阪市天王寺区、生徒約1780人)。中高一貫教育も掲げる私立男子校で、毎年のように超難関の国公立大の合格者を出す関西有数の進学校として知られる。体操部はオリンピックのメダリストを多く輩出し、ソウル五輪・団体銅の池谷幸雄さんやアテネ五輪・団体金の米田功さんも卒業生に名を連ねている。
「ほんまにダサくてありえへん。僕は髪形も個性やと思っているのに。もう我慢できません」。匿名を条件に毎日新聞の取材に応じたある生徒はこう嘆く。
そもそも、生徒の間で「清風カット」と呼ばれる髪形とは一体どういうものなのか。その全貌は入学時に配られる生徒手帳に写真とともに示されている。
<必ず裾と耳もと全体を刈り上げなければならない><前髪は自然に前へたらしたとき、眉毛にかからない程度の長さにすること>
刈り上げの目安は明記されていないが、生徒によると、耳元や襟足を指でつまめない3ミリ以下にするよう求められている。
そして、手帳の頭髪規定はこう続く。「毎月1回検査を行うので、当日までに各自散髪をしておくこと」「検査の結果、不合格の場合は、裾と耳もと全体を刈り上げて調髪すること」。清風中学校も同じ規定が手帳に書かれている。
学校のホームページは「守らなければならない事項」の一つとして、「学校指定の髪形にする」と紹介。これらの項目を順守できない場合は退学になることも併記されている。
関係者によると、頭髪検査で不合格になった場合、教職員が教壇に立たせてクラスメートの前で注意したり、即日の散髪を厳命したりする光景が目撃されている。散髪が嫌で、仕方なく「検査逃れ」で学校を休む人もいるという。
男子生徒が打った手とは
高校では過去、一部の生徒が「頭髪規定はあまりにも厳し過ぎる」と教職員に訴えたことがあるという。しかし、返ってくる言葉はいつも「校則で決まっている」。そんなやり取りに疑問を感じていた現役の男子生徒の一人は、ある手段に打って出た。
きっ…
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