消えゆく歴史的建造物 国登録有形文化財、全国で279件 修理ほぼ自腹、所有者維持できず

解体で登録が抹消された国登録有形文化財の例
解体で登録が抹消された国登録有形文化財の例

 国の登録有形文化財となった建造物の解体が後を絶たない。文化庁によると、主に老朽化に伴う解体により、これまでに279件の登録が抹消された(9月25日現在)。歴史的に価値のある建造物を保護するため設けられた登録制度だが、所有者の維持・管理の負担が大きく、継承を断念せざるを得ないケースが多いようだ。【日向米華】

 JR小倉駅の東側約600メートルにある北九州市小倉北区長浜町。住宅などが建ち並ぶ、かつての漁師町にあった建物が約1年半前に解体された。江戸時代から続いた庄屋の住まいで、大正時代前期の建築とされた国登録有形文化財「岩松家住宅」だ。同区にあった小倉陸軍造兵廠(しょう)などを標的とした戦火も免れた、市中心部に残る希少な建造物と評価され、2021年6月に文化財として登録された。

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