特集

習近平の中国

習近平体制は党大会を経て3期目が始動。権力集中が加速する異例の長期政権は、どこに向かうのでしょうか。

特集一覧

「衝突回避」同床異夢の米中 台湾問題、深い溝 14日首脳会談

首脳会談に臨むバイデン米大統領(右)と中国の習近平国家主席=インドネシア・バリ島で2022年11月14日、ロイター
首脳会談に臨むバイデン米大統領(右)と中国の習近平国家主席=インドネシア・バリ島で2022年11月14日、ロイター

 バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は14日、インドネシア・バリ島で会談した。台湾海峡をめぐる軍事的な緊張が高まる中で、バイデン氏は互いの「レッドライン(越えてはならない一線)」を探り、大国間競争の管理を図る。両氏は衝突を回避するために意思疎通を維持することでは一致するとみられるが、双方の主張の隔たりは大きく、議論は平行線のまま終わる可能性が高い。

 バイデン氏は会談冒頭で「我々には、米中が意見の違いを管理して衝突を避け、世界規模の課題に対して協力して対処する方法を見つけ出す責任がある」と述べた。習氏は「我々は二つの大国の指導者として両国関係の発展の正しい方向性を見いだし、押し上げていかなければならない」と応じた。

 対面による米中首脳会談は、バイデン氏の大統領就任(2021年1月)以降で初めて。両氏は15~16日に開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせバリを訪問。習氏にとっては、10月の共産党大会後に3期目の新指導部を発足させて以降、初の外遊となる。

 バイデン氏は中間選挙で与党・民主党が上院の多数派維持を確実にし、より強い立場で臨めると会談前に自信を示していた。米政府高官は「米中関係のこれ以上の悪化を防ぐ『底固め』が目的だ」と説明している。会談後に共同声明などは出さない。

 中国も衝突回避のための意思疎通は重要という認識だ。中国外務省の趙立堅副報道局長は11日、「米側は中国と協力し中米関係を健全で安定した発展の正しい軌道に戻すよう促進すべきだ」と米側に…

この記事は有料記事です。

残り796文字(全文1444文字)

【時系列で見る】

関連記事

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月